季節家電のしまい場所を毎年忘れる
扇風機、加湿器、こたつ、ヒーター、ハンディファン。どれも一年に一度しか出し入れしません。そして一年に一度しか触らないものは、記憶に残りません。毎年同じように押入れとベランダの物置を往復して、最後は「去年はどこにしまったんだっけ」と声に出す。だらしないからではなく、間隔が長すぎるからです。
年に一回では記憶は残らない
毎日使うものの場所は覚えています。週に一度でも覚えています。ところが十二か月に一度になると、その行為は記憶に残るだけの回数を得られません。しかも季節家電をしまうのは、たいてい他のことのついでです。衣替えの流れで、大掃除の流れで、来客の前に部屋を空けるために。その場の判断で空いていた場所に入れているので、そもそも覚えるつもりで置いていません。
もう一つ厄介なのは、季節家電が「置き場所が決まっているもの」ではないことです。食器や本には定位置がありますが、扇風機の定位置は半年ごとに変わります。使う季節はリビング、使わない季節は押入れの奥か、物置か、実家か、ベランダの収納庫。定位置がないものは、探すときの当たりもつけられません。
しまった瞬間が、来年の自分に情報を渡せる唯一の機会
探し物をしている最中に何かを記録することはできません。情報が失われるのは探しているときではなく、しまったときです。しまう作業はいつも急いでいて、しかも「片づいた」という達成感があるので、そこで終わりにしたくなります。その一分が、翌年の三十分を決めます。
そして季節家電は、本体だけの問題ではありません。扇風機の羽根カバー、加湿器のフィルターと説明書、こたつのコード、リモコン、ヒーターの替えフィルター。本体は見つかったのに部品が足りなくて、結局その年は使えなかった、という失敗は珍しくありません。部品は別の箱に入れられがちで、本体より先に行方が分からなくなります。
しまうときに残しておく三つのこと
- どこにしまったか。押入れ、物置、ベランダ、実家といった大きな単位で十分です。細かく書こうとすると、そもそも書かなくなります。
- 何と一緒に入っているか。同じ箱に何が同居しているかが分かると、来年その箱一つを出せば済みます。
- 付属品が揃っているか。カバー、フィルター、リモコン、説明書。しまう時点で欠けているなら、来年ではなく今のうちに手を打てます。
写真が一枚あると、この三つはほとんど同時に片づきます。箱を閉じる前に中を一枚撮り、どこに置いたかを一言添える。文章にしようとするから面倒になるので、写真と数語で構いません。
買い直しという静かな損失
見つからない季節家電の本当の代償は、探す時間ではなく買い直しです。急に暑くなった日に扇風機が出てこなくて、安いものをもう一台買う。加湿器のフィルターが見つからず、型番も分からないので新しい本体ごと買う。数か月後、別の用事で物置を開けたときに、探していたものが出てきます。
Kept はこういう買い直しを減らすために作られています。しまうときにまとめて写真で登録しておけば、来年その一台がどこにあるかを調べられますし、買う前に家にあるかどうかを確認できます。長く触っていないものは経過日数として浮かび上がるので、去年一度も使わなかった季節家電が、いつまでも場所だけ取り続けていることにも気づけます。
うまくいっている状態とは
季節家電を減らすことでも、完璧な収納図を作ることでもありません。季節が変わったときに、どの箱をどこから出せばいいかが最初から分かっている状態です。そこまで来ると、衣替えのたびに家じゅうを探し回る時間が、そのまま消えます。