結婚祝いを使わないまま持っている場合
結婚は、人生の他のどの機会よりも一度に多くの贈り物が届くイベントです。しかも贈ってくれた何十人もの人は、お互いに何を選んだか知りません。何年も経ってから、来客用の食器セット、一度も電源を入れていない家電、親戚がくれた名入れのペアグラスが、箱に入ったままになっている。贈り物が悪かったからではなく、あの日思い描いていた暮らしと、実際に落ち着いた暮らしの形が違っただけです。これは普通の「使っていない物」とは少し違う種類のもので、手放すにも違う種類の心構えがいります。
結婚祝いが、自分で買った物より手放しにくい理由
家にある他のほとんどの物は、いつかあなたが「欲しい」と決めて手に入れたものです。結婚祝いはその過程を丸ごと飛ばしています。誰か別の人がお金を出し、店まで足を運び、人生でいちばん大きな節目に気持ちを込めて贈ってくれたもので、物そのものにその三つがすでに乗っています。手放すことは、その三つ全部を一度になかったことにするように感じられ、それは「使っているかどうか」よりずっと重い問いです。だからこそ、普通の買い物ならとっくに手放されているはずの物が、結婚祝いというだけで十年近く棚の奥に残り続けます。
箱のまま残りやすい、三つの結婚祝い
引き出物やカタログギフトが重なったもの。 何人もの人が同じような発想で選ぶので、示し合わせていなくても同じ食器のセットや似たようなタオルが重複します。誰かが失敗したわけではなく、人気のある贈り物ほど複数の人の頭に同時に浮かびやすいというだけのことです。
「これからの暮らし」を見込んで選ばれたもの。 来客用の食器一式、揃いの銀食器、ホームパーティー用の大皿――これは、これから始まる暮らしを見込んで選ばれたもので、実際に落ち着いた暮らしのためではありません。結婚したばかりの頃はもてなしの多い暮らしを思い描いていても、何年か経つと、思ったよりずっと普段着の暮らしに落ち着くことは珍しくなく、それは結婚生活がうまくいっていないことの証拠では全くありません。
誰も頼んでいないのに「決まりごと」として贈られるもの。 名前を彫ったペアグラス、記念のフォトフレーム、名入れのカッティングボード――贈る側が「結婚祝いといえばこれ」という発想で選んだもので、あなたたちが望んだわけではありません。これがいちばん疑問を持ちにくい種類の贈り物です。真剣に選んでくれたことは本当なのに、選ばれた物自体が暮らしに馴染まなかっただけだからです。
後ろめたさの正体は、物ではなく相手への気持ち
食器セットを箱のまま棚にしまっておいても、贈ってくれた叔母との関係が守られるわけではありません。彼女はそんなことを気にしていませんし、もし聞かれたとしても「何度か使ったあと、必要としている人に譲った」と答えれば、それは嘘のない、感じの良い返事になります。本当に残す価値があるかどうかを決めるのは、誰がくれたかではなく、どう選ばれたかです。カタログから何となく選ばれた一品と、あなたたちのために本当に考えて選ばれた一品とでは、もともと重みが違います。後者にはためらう価値がありますが、前者にそこまでの重みはありません。
「いつか使うかもしれない」を公平に判断する方法
来客用の食器や揃いの贈答品は、そもそも年に数回あるかないかの場面のために選ばれたものなので、一、二年使っていないだけではまだ何とも言えません。判断材料になるのは、その品が想定していた場面が一巡したかどうかです。二回続けてのお正月や、実際にあなたたちが人を招く場面が二回分過ぎても箱を開けていないなら、それは贈り物が悪いとか、贈ってくれた人への気持ちが足りないという話ではなく、単純に今の暮らしがどんな形をしているかを教えてくれているだけです。
箱のままの物を、実際にどうするか
未開封のまま残っている物は、誰かが実際に使うにはいちばん良い状態にあります。中古の生活雑貨に混ざって寄付するより、これから新生活を始める親戚や友人に譲るほうが、その状態が生きます。新生活を始めたばかりの人は、結婚祝いで余りがちなこの手の来客用食器や揃いの品を、ちょうど持っていないことが多いものです。誰かが特に心を込めて選んでくれたとわかる品なら、手放す前に一枚写真を撮っておけば、その気持ちを覚えておくのに物そのものを持ち続ける必要はありません。
これは Kept が目指していることの、もっと小さな版でもあります。実際に使ったかどうかを部屋ごとに記録しておけば、結婚以来一度も動いていない食器セットも、他の物と同じように「使っていない」として見えてきます。結婚祝いだからという理由だけで、永久に見なくていいものにはなりません。
「対応できている」とはどういう状態か
棚を空っぽにすることでも、リボンがかかっていた物すべてに罪悪感を持つことでもありません。実際に使う食器が手の届くところに出してあり、重複していた来客用の食器は新生活を始めたばかりの親戚のもとで役に立ち、名入れのカッティングボードは誰かの台所で実際に使われている――そんな状態です。結婚式が立派だったことを証明するためだけに棚の奥にしまわれているのではなく。