なぜ香水ばかり増えて、実際につけるのはいつも同じ一、二本なのか
棚を見ると少し奇妙なことになっています。八本、十本と瓶が並び、そのほとんどはまだ四分の三ほど残っているのに、実際に手が伸びるのはいつも同じ一、二本だけ。どの瓶も買った瞬間は「これだ」と思えたはずで、決して失敗した買い物というわけではありません。それでも数か月おきに新しい一本がまた必要に感じられる——キャンドルを九個目、ノートを五冊目買うのとは、少し違う種類のしつこさです。香水にはそれなりの仕組みがあり、次の一本が棚に加わる前に知っておく価値があります。
嫌いになる前に、感じなくなっている
鼻は絶えず触れているにおいに慣れて、数分のうちに意識から締め出してしまいます。自宅のキッチンのにおいや自分の洗剤のにおいに気づかなくなるのと同じ理屈です。同じ香水を数か月毎日つけていると、それは変わったわけでも、あなたが好きでなくなったわけでもなく、脳のほうが「これはもう報告しなくていい」と静かに学習してしまうだけで、自然と存在感を失っていきます。お店にある新しい瓶には、あなたとのそんな積み重ねがまだありません。だからこそ、実際にそうかどうかとは関係なく、いま持っている一本より鮮やかで、面白そうで、「そこにある」感じがするのです。単に、まだ慣れていない鼻に届く、まだ新しいにおいだからです。
カウンターでの試香は、いちばん当てにならない十分間を測っている
香水はつけている間に変化します。ムエットに吹きつけて最初の数分で立ちのぼるトップノートは、たいてい、体温とベースノートが時間をかけて現れたあとの——実際に一日中つけているときの香りとは、いちばん違う部分です。カウンターでのひと吹きだけで選ぶということは、香水全体の中でいちばんその日を代表していない部分だけを頼りに選ぶということになります。その十分間の印象だけで買った瓶が結局つけられずじまいになりがちなのも、無理はありません。あなたを引きつけた部分は、十分間だけは正確で、そのあとは終わってしまうのです。
誰かからの贈り物が、あなたの棚に
混み合った香水棚のかなりの部分は、そもそもその持ち主自身が選んだものではありません。ホリデーのギフトセットには誰も選んでいない香りが同梱され、免税店のカウンターではレシートと一緒にサンプルが手渡され、親戚は「いい匂いだから」とあなたのためではなく自分の好みで選んで贈ってくれます。そのどれも、断るほど気まずいものではありません。丁寧にお礼を言って受け取り、そのまま一度も開けない——それがいちばん起こりやすいことです。こうして、誰も選んでいない香りが、実際に手に取る二本のすぐ隣に静かに積み重なり、コレクションを実際の決断の数以上に大きく見せてしまいます。
まだ探し続けている「これぞという一本」
誰もが最終的にひとつの「自分の香り」——それだけで自分だと分かるような一本——に落ち着くべきだという、口には出されないけれど広く信じられている考えがあります。素敵な考えではありますが、多くの人にとって実際はそうなりません。気分は変わり、季節ごとに求めるものも変わり、あらゆる場面をひとつの香りでまかなうというのは、たいていのワードローブが目指す範囲よりも狭い目標です。それでもそれを追い続けると、「これぞ」という手応えのない一本はすべて「惜しいけれど違う」として扱われ、「ある気分にはちょうどいい香り」としては扱ってもらえなくなります。その結果、探索は終わらず、何も解決しない新しい瓶ばかりが増えていきます。目標そのものが、届かないほど狭く設定されているからです。
実際に効くこと
フルボトルを買う前にサンプルを試す。小分けやサンプル瓶はフルボトルのほんの一部の値段で、カウンターでの十分間の試香では答えられない問いに答えてくれます——これが実際に、何時間も経った、ふだんの一日のあなたの肌でどんな匂いになるのか。決める前に、店から車までの道のりだけでなく、丸一日つけて過ごしてみることです。
「これはいい匂いだと思う」と「実際に手が伸びる」は別の話だと分けて考えること。じゅうぶんに好きな匂いのものはたくさんあっても、毎朝、すでに生活になじんだ二、三本に負け続けているなら、その負け続けは偶然ではなく、ひとつの情報です。
新しい一本を買う前に、いま棚にすでに開けてあるものを正直に見てみること。三分の一ほど残ったまま一年動いていない瓶は、カウンターでのひと吹きでは分からないことを教えてくれています——新しい一本で埋めようとしているその隙間は、実は香水の在庫の問題ではないということです。
意志の力より、正直な記録のほうが役に立つ
ここで必要なのは表計算ソフトではなく、正直な記録です——自分が何を持っていて、最後に手に取ってからだいたいどれくらい経ったか。Kept の未使用トラッキングは、記録したものについてそれを静かにやってくれます。何か月も開けていない瓶は、判定ではなくただの事実として、経過日数付きで浮かび上がります。そして買う前に確認できる検索は端末に入っていて電波がなくても動くので、カウンターの前で本当に大事な問い——この香りがいいかどうかではなく、家にすでに似たようなものが三本あって、それぞれまだ三分の二ほど残っていないか——に答えてくれます。
「うまくいっている」とはどういう状態か
ずっと使い続けるたったひとつの「自分の香り」を見つけることでも、二度と香水を買わないことでもありません。それは、棚にある香水のほとんどが実際につけられていること、フルボトルを買う前にサンプルを試していること、そして次の一本を選ぶ理由が本当の隙間があるからであって、カウンターでのひと吹きが、家で静かに感じなくなっていただけの一本に勝ってしまったからではない、という状態です。