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傘を何本も持っているのに、なぜまた買ってしまうのか

たいていの「つい買ってしまうもの」は、持っていることを忘れているのが本当の原因です。傘は少し違います。家に何本かあることは、たぶんぼんやりとは分かっています——玄関のどこかに一本、会社の机の下にもう一本あったはず、もう手放した車のトランクにも一本残っていたかもしれません。問題は存在を忘れたことではありません。空が急に降り出したその瞬間に、そのどれもが手元にないこと——傘が本当に必要になるのは、結局その瞬間だけだということです。

傘は「空」に対して買うもので、「玄関」に対して買うものではない

自分がいくつ傘を持っているかを考えながら傘を買う人はいません。買うのはたいてい駅の入口で、すでに雨が降り出していて、コンビニのレジ横のスタンドに並んだ、ふだんなら高いと感じる値段のものです。でもその瞬間はまったく迷いません。頭にあるのはひとつだけ——このままだとずぶ濡れになる、ということだけです。家に状態のいい傘が何本も乾いたまま置いてあるかどうかは、思い出す暇すらありません。解決しようとしているのは「持っているかどうか」ではなく、「今ここに、あるかどうか」だからです。

足りないのは記憶ではなく、居場所

だからこそ、重複買いを防ぐ定番の対策——買う前にリストを確認する——は、傘に対しては半分しか効きません。家に何本あるか、おおよそなら難なく答えられます。答えられないのは、どれが今会社にあって、どれが今日持っていないバッグの中に折りたたまれていて、どれが三カ月前に友人の家の玄関に置き忘れたまま戻ってきていないか、ということです。傘の問題は「あるかないか」ではなく、「今ここにあるかどうか」なのです。

なぜ傘は「たまる」のではなく「散らばる」のか

重複買いしやすいものの多くは、一か所にたまります。ペンはペン立てに、ケーブルは引き出しに。少なくとも山になっていれば目に入ります。傘はその逆です。わざわざ持って外に出て、一度きり使われて、雨がやんだ場所にそのまま置かれます。月曜まで戻らない会社の隅に立てかけられたまま、カフェの椅子の下に忘れられたまま、電車の網棚に乗せたまま二駅先で気づく——そのどれも、その瞬間は「失った」とは感じません。その日はもう必要なかっただけだからです。それが「足りない」に変わるのは、次に雨が降って、フックに手を伸ばしたのに何もなかったときです。

電池やペンがなくなっても、たいていは家のどこかで使われて、そこに留まっています。傘は違います。あなたと一緒に外へ出るように作られていて、同じくらい簡単に、あなた一人を置いて留まってしまいます。だから傘5本の行方が分からなくなるのは、ペン5本を見失うよりずっと簡単に起こります。

もう一本買っても、散らばりは解決しない。むしろ増える

とっさの対策は、もっと頑丈なものを買う、あるいは「もう困らないように」と何本か買い足すことです。どちらも的を外しています。新しく買った傘も、決まった場所には置かれません。次に必要になった場所へ行き、そこに前の傘たちと同じように置き去りにされます。足りなかったのは本数ではありません。すでに傘が4本あるのに雨の中で立ち尽くすことになる家に必要なのは、5本目ではなく、その4本が実際に手の届く場所にあることです。

本当に効く対策

意味のある問いは「傘を何本持っているか」ではなく「今いる場所の近くに、一本あるかどうか」です。具体的には、傘に決まった「置き場所」をいくつか作ること——ほぼ毎日持ち歩くバッグの中に一本、家から絶対に出さない玄関に一本、いちばん長く座るデスクに一本。それぞれの傘を、前回の雨が終わった場所に漂わせるのではなく。決まった場所は、実際に傘をそこへ戻す習慣とセットでないと意味がなく、この習慣は一気に崩れるのではなく、気づかないうちに少しずつ崩れていくものです。

今何を持っていて、それが今どこにあるかを知ること——これはまさに Kept が埋めようとしている隙間です。物に名前だけでなく「部屋」を持たせておけば、半年前に撮って「会社」とタグ付けした傘が、次に傘を買おうとしたときに検索結果に出てきます。レジの前で「あの傘、まだ会社にあったっけ」と記憶を頼りに考える代わりに。電車に置き忘れることは防げませんが、実際に確認すればすでに3本あるとわかる玄関に、6本目を買うことは防げます。

身についたときの姿

傘を二度と買わなくなるわけではありません——本当に失くしてしまうことは今後もあり、失くした分を買い直すのは失敗ではありません。違うのは、実際に確認して、それでも本当になかったから買うのか。それとも、確認するという発想そのものが唯一大事な瞬間に浮かばなかったから買うのか——雨の中に立っていて、あとほんの数分でたどり着けるドアがあり、どこを探せばいいか知ってさえいれば濡れずに着けたはずのその瞬間に。