火災保険・家財保険のための持ち物リスト、何を記録すればいいか
断捨離のために作る持ち物リストと、火災保険や家財保険の請求のために作るリストは、実は違う問いに答えるためのものです。同じプロジェクトだと思って取り組むと、たいてい両方とも中途半端に終わります。断捨離が知りたいのは「何を持ちすぎているか」。保険の請求が求めるのは「失う前に確かに持っていた」という証拠です。この違いが、何を記録すべきか、一件あたりどれだけ詳しく書くべきか、そして何より、その記録をどこに置いておくべきかを決めます。
保険会社が実際に確認したいこと
請求は、その物への思い入れを語ってほしいわけではありません。確認したいのは三つだけです。それを持っていたこと、だいたいの価値、だいたいの取得時期。どれだけ気に入っていたか、なぜ買ったか、どんな思い出があるかは関係ありません。これは多くの人が思うより狭い問いで、この狭い範囲だけに答えると割り切ることが、一週間かかっても終わらないプロジェクトを、午後のうちに終わらせる鍵になります。
つまり、記録は均等である必要もありません。金額の大部分を占めるのは、家電、家具、宝飾品、工具、ブランド品や中古市場で値がつくものなど、ごく一部のカテゴリです。それ以外はまとめて済ませて構いません。引き出しの中のTシャツ一枚一枚に個別の記録は要りません。引き出しをいっぱいのまま一枚撮った写真のほうが、クローズアップを十五枚撮るより雄弁です。
この作業全体を無意味にする、よくある失敗
持ち物リストが本来の目的を果たせない一番よくある理由は、地味です。そのリストの写しが一つしかなく、それが家の中にあったからです。引き出しの中の紙のリストも、火事や水害や空き巣のとき家の中にあったスマホの中だけの写真も、何も守ってくれません。物を失わせた出来事が、証拠も一緒に失わせるからです。これは特定の道具が信頼できないという話ではなく、ノートでもアプリでも条件は同じです。対策は難しくありません。ただ見落としやすいだけです。何でリストを持っていても、家の外にもう一つ写しを置く必要があります。スマホなら、普段のバックアップが実際にオンになっていて、実際に動いているかを確認するだけのことが多く、これはほとんどの人が一度も確かめたことのない、五分で終わる作業です。
クローズアップと領収書が要るもの、要らないもの
「そういうものを一つ持っていた」だけでは保険の担当者を納得させられないほど高額、あるいは特殊な物には、個別の写真をつけます。できれば型番が読める角度で、だいたいの購入金額、だいたいの購入時期も添えて。ほとんどの家庭ではこの対象は短いリストで済みます。テレビ、ノートパソコン、楽器やカメラが数点、婚約指輪、車庫にある本当に良い工具、大きいだけでなく実際に高価だった家具。
それ以外はまとめて証明したほうが確実です。クローゼットはクローゼットごと、キッチンの引き出しは引き出しごと、本棚は棚ごと撮影する。それぞれが「この量がここにあった」という正直な証拠になり、誰もやらないような一点ずつの手作業を装う必要もありません。四十枚のシャツがハンガーに並んでいる写真を見た担当者は、そこに四十枚あったと信じます。四十枚を別々に撮ってもその証拠は強くならず、ただプロジェクトが終わらなくなるだけです。
午後で終わらせる:部屋ごとに一巡する
家を部屋ごとに歩きます。各部屋で、普段のままの様子を一枚撮ります。演出も片づけもせず、実際にある状態のままです。そのあと、その部屋にある高額または言葉で説明しにくい数点だけを個別に撮影して、次の部屋へ進みます。寝室なら二分、全景一枚とアクセサリーや電子機器のクローズアップを一枚くらい。車庫なら十五分かかるかもしれません。家全体でも午後一回分で、最初の部屋で丁寧にやろうとして止まってしまい、そのまま終わらないという、ほとんどのリストがたどる結末にはなりません。
全部をやり直さずに更新し続ける方法
実際に続くのは、大きな買い物をした当日に、写真一枚とだいたいの金額と日付を一件だけ追加するやり方です。「年に一度リストを作り直す」計画は、たいてい実行されません。部屋を一巡する作業が一番手間のかかる部分で、それは一度払えば済みます。そのあとにかかり続けるコストは、大きな買い物をするたびの一分だけで、これなら実際に続く可能性のほうが高くなります。
Kept がここで役に立つ部分
Kept は保険請求のために作られたアプリではありませんが、断捨離という別の理由で存在している機能が、この作業の地味な半分を結果的に肩代わりしてくれます。持ち物は部屋ごとに整理されるので、部屋を一巡して撮った写真は、自分で構造を作らなくても最初から正しい場所に収まります。物を登録するときに写真を付けられ、最大十点までまとめて撮影できるので、部屋を一巡するときの実際の動きにも近いやり方です。持ち物のデータはサーバーではなく端末に残るので、先ほどのバックアップの話はKeptにもそのまま当てはまります。普段どおりスマホのバックアップをオンにしておいてください。そうすれば、この記録が本来助けてくれるはずだったその出来事を、スマホ自体が乗り越えられるかどうかに左右されずに済みます。
「終わった」とはどういう状態か
持ち物一つ一つに一行を割いた表でも、いざというとき誰も探し出せない靴箱いっぱいの領収書でもありません。部屋ごとの写真一式と、高額で特殊な物だけを記した短いリストが、家の外のどこかに保管されていて、次に何か大きな物が家に入ってきたときにまた一分だけ手を加えられる状態です。