家電・ガジェットの持ち物リストの作り方
家電やガジェットは、いざというとき——盗難、水没、引っ越し中の落下——に一番「証拠」を求められるカテゴリです。保険会社が見たいのは購入時の証明とシリアル番号であって、「確かに持っていました」という言葉だけでは通りません。その一方で、一番記録しすぎてしまうカテゴリでもあります。充電ケーブル一本、アダプター一個まで几帳面に登録しようとして、ルーターの裏に印字された小さなシリアル番号のところで力尽きる——よくある話です。原因は記録の量が足りないことではなく、家電というカテゴリが実は二つのまったく違う問いを同時に含んでいて、そのうち片方しかそこまでの細かさを必要としていないことにあります。
一つのカテゴリに、二つの違う問い
一つ目は「なくしたとき、それを持っていたと証明できるか」という問い。これは保険や保証だけが気にする話で、対象は少数——買い替えたら本当に痛い金額のもの、そして古い・数が多いなどの理由で、いざというとき細部を思い出せなそうなものに限られます。二つ目は「これ、もう持っていないか」という問い。こちらは重複購入の問題で、対象はまったく別の、ずっと長いリスト——充電器、ケーブル、変換アダプターなど、一つひとつは小さな買い物が積み重なってできたものです。この二つを同じやり方で扱おうとすることが、家電の持ち物リストが挫折する一番の原因です。「持っていたと証明する」にはそれなりの情報量が要りますが、「同じケーブルをもう一本買わない」ためには、ほとんど何もいりません。
シリアル番号と写真を残す価値があるもの
このリストはあえて短く保ちます。ノートパソコン、スマートフォン、タブレット、テレビ、ゲーム機、カメラ、モニター、そして「買い替えるとなると出費として痛い」と実感を持って言えるもの。それぞれについて残す価値があるのは四つだけです——メーカーと型番、だいたいいつ・いくらで買ったか、本体の写真、そしてシリアル番号の貼られている部分(多くは底面か背面)の写真。レシートや注文確認メールが見つかればそれが一番強い証拠になりますが、なくてもシリアル番号の写真だけは意味があります。実際に保険会社やメーカーが尋ねてくるのはまさにその番号で、いざというときに一番思い出せない情報だからです。
それ以外は、思い切って省いていい
それ以外のほとんどは個別に記録する必要がありません。充電ケーブル一本一本に型番や専用の記録欄はいらず、必要なのは「だいたい何本くらいあって、どこにあるか」という程度の把握で十分です。箱に入っていた説明書、結束バンド、予備ネジの小袋も同じで、いざというときに誰もそこまで見返しません。「一応ちゃんと」という気持ちでスペック表や全ポート、付属品まで細かく記録しようとするのが、十五分で終わるはずの作業を途中で放り出す原因になります。細かさは「持っていたと証明する価値のある」短いリストのためだけに使い、それ以外は「探せば見つかる」状態で十分です。
シリアル番号は打ち込むより撮るほうが確実
シリアル番号は英数字が十数文字から二十文字ほど並んでいることが多く、手で打ち込むと途中で挫折したり、打ち間違えたりしやすい部分です。貼られているシールをそのまま一枚撮っておくほうが、入力より速く、しかも確実です——数ヶ月後に実際に必要になったとき、自分が打った文字列が正しいかどうかを疑わずに済みます。メーカーと型番の部分も、打ち込む代わりに口に出して言うだけで済みます。「これは何年に買った何というノートパソコン」と話すほうが、何台分もまとめて文字で説明するより気が楽です。
更新するタイミングは二回だけ
記録する価値があるのは二つの瞬間だけです。一つは、箱を開けたばかりでまだ梱包を捨てていないとき——このときが、シリアル番号のシールを一番いい光の下で、一番見やすい状態で撮れる最後のチャンスです。もう一つは、古い機器を売る、リサイクルに出す、人に譲る直前——このとき、その機器に付いてきた充電器やケーブルが今どこにあるかを一度確認します。もう家にない機器の付属品というのは、気づかないうちにもう一つ買ってしまいがちなものだからです。Kept の「放置日数」の機能は、まさにこの隙間のために作られています。モニターは手放したのに充電ケーブルだけ引き出しに残っている、といったものは自然と放置日数付きで浮かび上がりますし、「買う前に確認」の検索を使えば、そっくりなケーブルがもう一本、隣に並ぶ前に止められます。
うまくいっている状態とは
家じゅうのケーブル一本一本に行が振られた表ではありません。保険会社が実際に尋ねてきそうな数台の機器について、何かあってから慌てて探すのではなく、あらかじめ用意できている短くて本当に使える証拠。そして、買う前にいちいち引き出しを開けて推測しなくても済む、充電器とアダプターの引き出し。うまくいくとは、そういう状態のことです。